不妊に悩む女性たちの中には、妊娠するには卵子提供という道しか残されていない人たちがいます。そんな女性たちの多くは、卵巣の卵子が少なくなる、または無くなってしまい、子供を産めるタイムリミットが来てしまったことが理由で不妊になります。通 常は、30代後半や40代に起こり始めることですが、もっと若い女性でも早期閉経になることがあり得ます。このような女性たちにとって、母親になるための方法のひとつが、卵子提供を受けるということになります。
この20年以上、特に先進国において、女性が初めて出産する年齢は上がってきており、日本では2012年に、初産の平均年齢が 30歳を超えました。このように、晩産化が進んだことで、年齢による不妊が大きな問題になっており、多くの女性が、自然に妊娠するという機会を逃してしまっています。また、若くしてガンになったことで、卵巣機能を失ってしまった女性や、遺伝性疾患を持った子供ができる可能性の高い女性も、卵子提供を受けることにより、母親になる希望を持つことができるのです。
不妊治療患者(レシピエント)が親になれるよう、卵子提供者(ドナー)が卵子を提供する不妊治療のひとつの方法を、卵子提供と言います。提供された卵子は、レシピエントの夫の精子と体外受精が行われ、妻であるレシピエントに移植されます。“卵子の 段階での養子縁組”とも言えるかもしれません。日本には、生殖医療(不妊治療)に関する法律が存在しないため、卵子提供をしてもいいのか、よくないのか、はっきりとした基準や規則がありません。そのような背景から、独自の指針をまとめ実施している機関・団体がありますが、実施件数は少なく、実施できる条件も特定の疾患に限られているため、卵子提供の道しか残されていない女性の多くが、海外の病院に行って、治療を受けなければならないということになります。
あなたがドナーになりたいと、私どもにご連絡をくださったら、まずはコーディネーターがプログラムについて詳しくご説明し、なぜドナーになろうと思われたのかなどをお聞きします。また、質問用紙では、あなたの病歴だけでなく、ご家族の病歴やあなたの生活習慣についても伺います。また、あなたが私どものプログラム参加基準に合うかどうか、いくつか確認させて頂きます。参加基準には、次のようなものがあります。
必ず、コーディネーターとの面談を受けて頂きます。その後、あなたの提供意思に変わりがなければ、ドナーとして仮登録します。レシピエント夫婦からあなたに依頼がありましたら、ドナーとして適格かを調べる検査を受けて頂きます。ドナーの検査は、卵巣機能の状態を調べる、超音波検査、血液検査、感染症検査、遺伝病スクリーニング検査、心理アセスメントとなり、2回ほど通院が必要となります。
卵子ドナーに関心がある方は、まず、こちらのフォームよりご連絡下さい。